ウランが足りない?

http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20110622/106721/
<転載>

ウランが足りない?
印中、原発増設で争奪戦

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 中国で著名な理論物理学者、何祚シウ氏(フーヅォシウ)が5月末、中国科学院発行の新聞に投稿した。「中国の原子力発電は絶対に飛躍的に発展できない」として、原発の耐震安全性やコストに疑問を投げかけ、性急な建設計画を批判した。

 興味深いのは、「中国には豊富なウランがなく輸入も石油や天然ガスより難しい」との指摘だ。たくさん原発を造っても、燃料がボトルネックになれば意味がない。石炭価格高騰で深刻な電力不足に直面している中国ならではの視点で、日本での議論にはあまり出てこないテーマだ。

 3月11日の東日本大震災以降、国際的に取引されている酸化ウランのスポット価格は20%以上急落した。各国の原発の建設計画が不透明になったためだ。だがその後すぐに値を戻し、震災前の水準には届かないまでも、1年前の価格を3割以上上回る1ポンド=56ドル(約4490円)前後で推移している。

 市場では、新興国での原発の建設ラッシュにより、慢性的な供給不足が予測されている。中国やインドの需要の伸びが最大の要因だ。

 世界のウラン埋蔵量は約540万トン。世界一の原発大国へ突き進む中国の埋蔵量は、そのうち3%にすぎない。新疆ウイグル自治区など国内で開発を進めているが、とても全需要は賄えない。3月11日以降、国有企業を通じてアフリカでのウラン権益を確保する動きを進めている。

 片やインドはNPT(核拡散防止条約)に加盟しておらず、これまで豪州などからのウラン輸入ができなかった。ただここにきてカザフスタンやアフリカ諸国との間で権益拡大の動きを加速させている。

 電力会社などはウランの大半を長期契約で調達している。スポット取引で売買されるのは一部で、値動きも激しい。2007年6月には過去最高値の1ポンド=136ドル(約1万1000円)をつけたが、1年後には半額以下になった。

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